乳腺外科で手術を受けた話

クリスマスカード

退院前日の夕方、M先生に会った。その日は、長い手術が行われ、先生方はみんなお疲れの様子だった。

M先生に言った。
「明日、退院します」
「ほぉ！　明日から俺、学会や」
「じゃあ、これでさようなら、ですね」
「外来は、来るやろ？」
「うん！」

そのとき、M先生が
「ほら、ちゃんと使ってるで」
って見せてくれたものがある。
すっごい嬉しかった。すっごい！！

昔、同じようなことがあったのを思い出した。
それは、私が介護後の燃え尽き症候群と、メニエール病の再発により、「私は誰の役にも立たないし、K先生に手術してもらったのに成果を台無しにした。Y先生にも面倒ばかりかけて、なかなか良くなれない。だから、もう消えたほうがいい……」と思い詰めていたときのこと。

M先生の外来に行ったら、私が差し上げたクリスマスカードを、机に飾っていてくれた。
「ほら、ここに飾ってるで」
って言ってくれたとき、「あぁ、こんな私のしたことを、喜んでくれる人がいるのだ」と嬉しかった。

思えば、M先生はいつも、
「手紙、読んだよ」
「仕事はどうなん？　また見せて」
って言ってくれた。

M先生、ありがとう。
いつも、憎たらしいことばかり言って、ごめんなさい。

夜ご飯。美味しい出汁ともこれでお別れ。