ノート
成人喘息になったとき、100均で1冊のノートを買った。
「喘息手帳」として使おうと思ったのだ。
それまでも、痛み止めや吐き気止めを重ねて飲んでしまわないように、服用の時刻をメモしてはいたが、1日が終わったらメモは捨てていた。
やがて、「咳の記録はノートに、服薬の記録はメモ用紙に、検査の結果はファイルに、基礎体温は基礎体温表に」と分けるメリットはないように思え、ノートと基礎体温表に情報をまとめることにした。
現在は11冊目のノートを使っている。
5年ほど前、私のことをM先生に引き継いで、転勤されたS先生に会う機会があり、
「M先生へのメッセージを書いて」
とお願いした。それがノートを先生とのコミュニケーションに使うようになった、直接のきっかけだった。
そのとき、S先生は、
「忍」
って文字を書きながら、
「これは、Mだけじゃなくて、ふゆうにも言いたいことや」
と言ってくれはった。
また別の時、S先生にお願いした。
「婦人科のT先生へのメッセージを書いて」
「どんな先生なん？ 会ったこともないから、何書いたらいいか……。イメージだけでも教えて」
「うーんとね、□□先生を優しくしたような……」
「□□さん、怖いんか(笑)？」
笑いながら書いてくださった。
「T先生、一度お会いしたいです。（後略）」
（後略）の部分、S先生は、
「軽い人間やと思われたかなぁ？」
と言ってはったし、T先生もこの部分を読んで、
「えっ……なっ、何なん！？ この先生は（笑）」
って爆笑してはった。
そして後に、
「『一度お会い』どころか、一緒に働くことになるとはなぁ(笑)」
と、二人とも笑ってはった。
今回の入院前に、T先生に
「M先生へメッセージを書いて」
ってお願いした。
T先生は、先に書いた（後略）の部分に負けないほど激しいメッセージを書いてくださったので、このメッセージを預かってくださった看護師さんは、驚いたかもしれない。