必要な環境
連休中にも、傷口の回診は行われるし、看護師さんによる検温・血圧の測定などもある。
術後4日目には採血が行われる。
看護師さんは、いつも優しい。
「世間は連休なのに、大変ですね」
「えぇ、でも、平日にお休みいただけたりもするんでね」
朝ごはんはパン食だけど、ほうじ茶も一緒に出してもらえる。
傷口の回診の時間。回診の先生は、病室に入る前にエプロンをつけながら、
「この患者さん、手術の翌日に診たの、おぼえてるわ」
とおっしゃっていた。
たぶん傷のキレイさと私の名前、両方のインパクトが「おぼえてる」の理由だろう。
昼ごはん。冷たい野菜サラダが美味しかった
私は入院・手術のことを、ほとんど誰にも言わなかった。
私は仕事や、そのほかの活動(耳のホームページも含めて)でも、自分を取り巻く環境が変わってきたことに、気付いていた。その変化についていこうか・いくまいかと悩み、結局は眼前のことへの対処ばかりを繰り返して、大きな視野を持てなくなっていることも、ちゃんとわかっていた。
また、放送大学の授業も視聴が遅れがちだったので、遅れを取り戻さなければいけなかった。
一度、静かに考えたい。
入院することを機会に、自分だけの時間を持ちたかった。
だから、誰にも言わず静かに過ごすことを選んだのだ。
でも、連休には同室の人へのお見舞いに来る人が多く、病室はとても賑やかで、傍で見ているだけの私も楽しい気持ちになった。その賑やかさがなかったら、私は孤独の迷路にはまりすぎ、極端すぎる結論を出してしまったかもしれない。
神様は、私に必要な環境を、ちゃんと用意してくれていたのだと思う。
夜ごはん。温かいものと冷たいものを分けて出してくれるのだけど、この日は温かいもののエリアに全てのお皿があったのが面白かった。