病院で「しょうかき…… <|HOME|> 身内
落ち着き
私の手術は11時からの予定だったが、事前に看護師さんが、
「前の手術が長引く可能性が高いので、午後にずれ込むかもしれない」
と知らせてくれた。
ベッドで点滴を入れてもらい、手術室へは点滴スタンドを押していくことになる。
20ゲージの針がなかなか入らず、悪戦苦闘する看護師さんに、
「私の血管が細いから、ごめんなさい」
って謝っていたら、Z先生が来てくださって、
「20ゲージ。長っ!」
っておっしゃったのが、なんか面白かった。
手術室へ看護師さんが連れて行ってくれた。
若々しくて、色が白くて、素敵な方だなぁと思っていた。
「手術前ですけど、落ち着いてはりますね」
「手術の経験、12年前ですけどあるんです」
「そうなんですか?」
「12年前は、病室で筋肉注射を打ってもらって、ベッドごと手術室へ移動して、手術後の安静期間も長くてって感じでしたけど、時代が変わってますよね」
「どこを手術されたんですか?」
「耳です。メニエール病で」
「そうなんですか」
「あと、祖母が二人とも人工肛門で」
「へぇえ」
「で、S先生やM先生に色々聞いていただいてたんですよ」
こんな話をがちゃがちゃ聞かされても落ち着いている看護師さん、さすがやなぁと思っていた。
後に、この看護師さんが夜勤をされていたとき。
「大変ですね。眠くないんですか?」
「3カ月たって、ちょっと慣れて来ました」
「え? 3カ月って」
「私は、看護師になって3カ月です」
「ぐわぁ。めっちゃ落ち着いてはるから、ある程度、経験があられるのかと」
「あまり、こちらが慌てていると、患者さんに伝わりますから」
いや、もう、すごいなぁ。そのプロ意識がすごい!
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