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身内

5,6年前、M先生が上部内視鏡を手配してくださったとき、
「誰か、身内の方についてきてもらえる?」
と聞かれた。
同じ検査で、身内の付き添いを求められたのは初めてなので、思わず
「え? 身内?」
と聞き返した。

M先生は、「身内」という言葉の意味を、解説してくれはった。
「ふゆうさんの、ご両親とか、ご兄弟とか……」
「え、あの、それは分かるんですけど(笑)、今まで身内ついてきてなんて、言われたことないよ?」
「そうやったか? 鎮静剤使うから、運転できへんで」
「うん、免許ないです」
「自転車もやで」
「はい(笑)」

これ以外で、身内の付き添いを求められたのは、K先生の内リンパ嚢開放術のときと、整形外科で簡単な手術を受ける、その術前説明のときだけだった。
だから、S先生M先生も、私の身内に会ったことは無い。

入院前、Z先生にも、
「手術当日は立ち会ってもらえますが、それ以外の日は事情で無理です」
ということを、S先生を通して伝えて頂いた。
感情の部分には触れないことにするが、母は公務員のため、参議院選挙の期日前投票に立ち会わなければならず無理。
父は、退職の時期と重なったため、挨拶回り・身辺整理などで忙しく、女性の病室に男性が長くいるのは、何かと差し障りもあると思われたため、無理。

手術の日を迎えたとき、11年もお世話になっているS先生M先生にも会ったことのない身内が、Z先生とは話しているということが、なんだか不思議な光景に見えた。

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