★本ができました★アマゾンや書店さんでお買い上げいただけます

今日から病気も友達 (MyISBN - デザインエッグ社)

新品価格
¥2,160から
(2017/2/11 18:14時点)


「デコ補聴器」のあいち補聴器センターへ行きました

少し長めの前置きを、お許しください。

まず、私自身は補聴器を使っていません。
私の祖母がメニエール病と高齢、軽い認知症などのために、コミュニケーションが取れなくなったことがありました。
祖母には、常に大声で話をしなければならず、私はいつものどがかれていました。15時か16時になると、私は何もしゃべる気力がなくなり、腹筋が痛くなっていました。 また、祖母にちょうど良いテレビの音量は、他の者にとっては苦痛なレベルでした。
疲れ果てた私は、何度か補聴器を勧めたのですが、祖母は「かっこ悪い」と言ってつけてくれませんでした。

転機となったのは、祖母の幼馴染の方が、補聴器をつけていたこと。「思ったより目立たないんだな」と祖母は言うようになり、その数か月後には補聴器をつける事に前向きになり始めました。

ところが、祖母にもプライドがあったのでしょう。また、「聴こえの問題」だけではなく「高齢・認知症のため、補聴器の説明が理解できない」ということへのイライラもあったのでしょう。
補聴器屋さんの前で、私が罵倒されることが何度もありました。いわく「あんたがハッキリしゃべれへんから、こんなもん買わんとあかんねや!」など。あまりの怒りをぶつけられた後には、補聴器屋さんが私を慰めて下さったこともあります。

また、補聴器は「着けたら全て解決」ではなく、慣れるまでは訓練が必要です。それに、祖母の補聴器は耳穴式だったので、つけたまま入浴や洗髪などしそうになることも。そのような時に、慌てて止めると「こんなもの着けさせるからやっ!!」と文句を言われたものです。

今になって私が思うことは、
「祖母が、もう少し早く補聴器をつけてくれていたら、祖母の認知症など進む前にコミュニケーションが取れたのかな?」
「もし、祖母の聴こえの問題が、もっと早く解決できていたら、祖母が家にこもりがちにならず、私と一対一の時間を減らすことができて、お互いのストレスが溜まらなかったのかな」
ということです。

愛知県岡崎市の「あいち補聴器センター」へ

  
「あいち補聴器センター」の天野慎介さんは、デコ補聴器を発売されています。
「できるだけ目立たないように」という観点で製作されてきた補聴器を「見せたい補聴器」「笑顔になれる補聴器」に変えていくサービスを提供されているのです。

前置きとして書いたように、私が祖母を説得しても、懇願しても、祖母の心は動かすことができませんでした。しかし、祖母の幼馴染の方が補聴器をされているという事実は、祖母の心を変えることができました。
天野さんの販売する補聴器には、このこと以上の説得力があるのではないかと思い、いつかお会いしたく思っておりました。

デコ補聴器とは?

言葉による説明より、画像を見て頂いたほうが早いですね。

サンプルとしてお店で見せて頂きました。

耳マークをデザインに取り入れたもの。


耳穴式補聴器もデコできるそうです。


天野さんが、デコ補聴器を思いついたのは、奥様とテレビを見ていて「携帯電話やパソコンに、デコレーションをするのが流行っています」という話題に触れたときだそうです。
奥様のご友人であるネイルアーティストの方に相談したところ、「やってみます」と前向きなお返事をいただき、すぐにご依頼をされたそうです。

「デコ補聴器を使っても本当に大丈夫なのか?」を確かめるため、天野さんご自身が、3か月間ずっとデコ補聴器を装着していたそうです。
その補聴器は下の写真もの。天野さんはタイガースファンなのですね。



納得のいくデコ補聴器を作るために

デコ補聴器のページには、デザインの下書き用紙が用意されています。好みのデザインを書き込みましょう。

ただ、何もないところからデザインをするのは、けっこう大変ですね。天野さんのお店にはサンプルや写真などが用意されていますので、「イメージに近いものを選んで、好みの色などに変える」という方法もありますよ。

また、好きな絵を用意していくことや、花の写真などを持っていくという方法もあります。下のデザインは、龍の絵をもとに作られたそうです。

補聴器は医療機器ですので、天野さんは法律的に医療機器の範囲を逸脱しないように注意を払われています。
また、天野さんは事前に補聴器メーカーにも相談し、「もしも、補聴器の修理が必要となった場合は、デコレーション部分をできるだけ残して、修理をするよう工夫します」とお返事を受け取ることができたのだそうです。

補聴器を耳に着けたとき皮膚と接触する部分や、電池の蓋の部分には、飾りをつけないほうが無難です。その点は天野さんにアドバイスいただくことができます。

デコ補聴器が生み出す2つの変化

天野さんは「デコ補聴器をつけることで2つの変化が生まれる」と考えられています。
1つは「補聴器がオシャレになる」という変化。
そしてもう1つは「補聴器を見せられる」ということによって、前向きな気持ちになるという変化です。

天野さんは言います。
「もし、視力が悪くなったときに、眼鏡をかけることを気に病むという人は少ないです。もし聴こえが悪くなったときには、補聴器をつけるということが、もっと自然になって欲しい」
「補聴器をつけていることを、抵抗なく人に話せる社会に変わって欲しい」

私は「眼鏡」の例えを、他でも目にしたことがあります。
それは、私が成人喘息にかかり、信頼のできる情報を探してたどり着いた「藤田医院」のホームページ。喘息の薬を飲み、吸入を続けることは「眼鏡をかけるようなもの。そんなに気に病むことじゃない」ということが書かれていたのが、とても印象に残っていたのです。
だからこそ、天野さんのお話は本当に心に残りましたし、祖母にも伝えたかったと改めて思いました。

補聴器以外のお話も

天野さんは、地元の消防団に所属されており、早朝から訓練にも参加されています。商工会議所などの活動も積極的に参加され、地域の方とのつながりを大切に考えられています。

実は、私が今までの生き方で失敗してきたのが、この点です。
2008年から2009年にかけてメニエール病が再発した際、私にはものすごいストレスがかかっていました。そのストレスの一つとは「仕事と称して、一日中パソコンばっかりやっている、ろくでもない人間」と親戚や祖母の友人から責めたてられたことです。

もちろん、よく知りもしないで、そんな悪口を言う人もおかしいのかもしれません。
しかし、私にまったく非が無かったわけじゃないんです。SOHOが少ない地域に住んでおり、理解が得にくかったのは確かですが、「どうせ理解してくれないから」と、何の説明もしなかったのは私です。
もし、たった一言でも「ライターです」「祖母の介護してますので、もしかしたら祖母が御迷惑をおかけするかもしれません」という挨拶をしていたら、事態は変わっていたことでしょう。

天野さんのお店は「皆さんが入ってきやすいように」「過ごしやすいように」と、けっこうおもしろいものがおいてありますよ!

デコ補聴器を紹介するデジタルフォトフレーム


入り口にはロデオが!?

天野さん、ありがとうございました!

今日はお時間を取って頂き、ありがとうございました。
またお会いできる日を、楽しみにしています!

皆様、天野さんのデコ補聴器のページをぜひご覧ください。


Web拍手です。心に何か残ったらクリックしてください


▲このページのトップへ戻る

inserted by FC2 system