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要約筆記……ペンとキーボードが紡ぐ言葉たち

要約筆記という方法や、そもそもこの言葉について、聞いたことや書いたことはありますか?

聴力にトラブルを抱えている人、発語にトラブルを抱えている人のコミュニケーション方法といえば、手話も知られていますが、手話だけでは解決できないケースもあります。たとえばヘレン・ケラーのような、手話が見えないという方には指点字などの方法も必要ですし、中途障碍者で手話を習得していない方もいるからです。

要約筆記の重要性は、国にも認められていて「障害者総合支援法」に「意思疎通支援に関する規定」が設けられていますよ。

さて、私は耳のホームページを13年くらい運営しています(ホームページっていう言い方自体が旧いですね)。

自分の聴こえ方がおかしくなったときや、病気などで言葉を発音できなくなったときには、さまざまなコミュニケーション方法を試し、ホームページのコンテンツとしても公開してきました。筆談や、それを50音ボードで補助する方法、手話、パソコン等でタイピングして見せる方法……。

そのような場面で、嫌がらずに協力してくれる方が常にいた、という事実も、今考えるととても恵まれたことだったと思います。

材料費があまりかからない50音ボードは、今も愛用しています。

「自分の聴力はよい状態だけれど、そばにいる友人の聴力の状況がよくない」という場合もあります。

このようなときは、私と友人間のコミュニケーションは筆談や50音ボードで取るとともに、第三者と友人間のコミュニケーションを、私が補助するための「要約筆記」という方法を使います。

第三者が発した言葉を、私がノートに筆記したり、パソコンでタイピングしてその場で友人に見せ、友人はノートや画面に表示された文字を見て、第三者とのコミュニケーションを取ります。

蛇足ですが、要約筆記の方法は、ライターが取材をするときに、自然に使う方法でもあります。いくらICレコーダなどで録音をしている場合でも、取材時にメモを取って見せるという姿勢や、インタビューイとの間で「どの言葉を重要と感じるか」、そのコンセンサスを取るためにも、「メモを取る」という行為は有効だからです。

さて、最近、私なりに身につけてきた要約筆記という技術が、活かせる仕事をさせていただく場面が増えました。会議等の議事録の筆記や、イベント準備で大勢の方がいる場での筆記だったり。

冒頭で触れたように、要約筆記は国からも重要性を認められ、専門の要約筆記者として活躍されている方もいます。しかし、私はそういう専門家ではないので、耳鼻科の現在の主治医に「あ、あの、こんな仕事があるんですけど、緊張しすぎて、どうしよう」と言ったら「やってるうちになれるよ、大丈夫」と。

うわああああああ!

慣れるころには仕事終わってるわあああああ!

と、叫んでいることは、心の中の秘密です。

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