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メニエール病と薬、副作用
素人があれこれ考えただけですので、医学的な部分で誤りがあるかもしれません。
■2012年10月21日更新
今まで、ずいぶんと見づらかったことと思います。
行き届かず、申し訳ありませんでした。
メニエール病の治療は、症状を抑える「対症療法」が中心となります。
メニエール病の根本的な原因はまだ分かっておらず、
内リンパ嚢開放術をはじめとする手術療法も、根治療法ではないからです。
ただし「一生薬を飲まなければならない」と決まったわけではありません。
「飲まなくても、めまいがなくなる」生活を目指しましょう!
メニエール病の改善に使われる薬は、次のようなものです。
浸透圧利尿剤
抗めまい薬
抗不安薬
抗不安薬の筋肉注射
抗うつ剤
メイロン(注射、点滴)
血流改善薬
ビタミン剤
制吐剤
抗酸化薬
ステロイド
漢方薬
ペルフェナジン
睡眠薬
抗ヒスタミン剤
β刺激剤
自律神経に働きかけるお薬
【参考】薬が原因でめまいが起こる?
※参考書籍
■浸透圧利尿薬
イソバイド、メニレットなど。ジェネリックも出ています。
体内から水分を排泄させる効果があり、内耳のむくみを軽くする働きがあります。
副作用について、あまり気にしなくて良いのがメリットですが、
大部分の人にとって不味いというデメリット(?)があります。
ちなみに、私はイソバイドを愛していたので、芸術作品を作りました。
展示中 http://fuyuugoout.web.fc2.com/op/mimi/geijyutsu.html
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■抗めまい薬
セファドール、サタノロン、シュランダー、トスペラール、ピネロロ、ソブラリン、ジフェニドール塩酸塩錠など。
メリスロン、バイメニエル、メタヒスロン、デアノサート、メニエース、メニタジン、ベタヒスチンメシル酸塩錠など。
「めまい」を抑えてくれる薬です。
ただし、めまいの根本的な原因を解決してくれるものではありません。
私は2011年の初め、BPPV(良性発作性頭位めまい症)にかかったとき、
メリスロンをいただきました。
BPPVのめまいは、
メニエール病のそれと違ってはるかに短時間で治まります。
でも、頭を動かすたびに繰り返してしまいます。
頭を動かさずに生活するのは無理なので、めまいは続きましたが、
メリスロンをいただいたことで、
「めまいからの立ち直りが早くなった」
「浮動感が、いつまでも続くことがなくなった」
と感じましたね。
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■抗不安薬
一般的に「精神安定剤」と呼ばれているものです。
不安な気持ちを抑える効果があります。
メニエール病にかると、
患者は「次にいつ、発作が起こるだろう」という不安を持ちます。
不安が発作を呼び、発作が不安を呼ぶ・・・という悪循環に陥ることもあります。
悪循環を断つためにも、抗不安薬で不安を抑えることは効果があります。
私がメニエール病にかかって、手術療法をまだ知らなかった時期、
耳鼻科の先生からセディールを頂いていたことがあります。
セディールには、他の薬(メイラックス、ソラナックスなど)と比べると、
依存性や副作用の心配が少ない、というメリットがあります。
これでも不安を抑えきれなかった場合には、
タイプの違う抗不安薬がいくつかありますので、
合うお薬に変えていただく方法が考えられます。
私自身も、精神科の先生からソラナックス、セパゾンを、
内科の先生からデパスを処方してもらい、現在はデパスが一番合うと感じます。
ただし「合う薬を追い求め続けるのが、本当に良いのか?」を、 どこかで考えなければなりません。
●手術療法が必要なほど、耳の症状が悪化しているのではないか?
●性格的に、不安を感じやすいところがあるのではないか?
どこかで落ち着いて考え、正しい対処法を選ぶようにしましょう。
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■抗不安薬の筋肉注射
セルシンやアタラックスPなどの抗不安薬は、
筋肉注射をしてもらえることがあります。
私は、メニエール病が理由ではないのですが、
両方の薬とも筋肉注射を受けたことがあります。
ただ、
どういうときに筋肉注射で、どういうときは内服になるのか、
と言われれば、私は素人なのでよくわかりません。
あくまでも私の経験ですが、
●痛みが非常に強く、夜中一睡もできなかったので、
体や精神の緊張をとって落ち着くために筋肉注射
●胃けいれんを起こしてしまい、口から何も取れなかったので筋肉注射
ということがありました。
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■抗うつ剤
メニエール病は、うつ状態を伴う場合があります。
私もうつ状態を経験しており、症状は次のようなものでした。
●気分が落ち込み、何もやる気が起きない
●食欲がない
●不眠になる
●未来のことが考えられない
●水分が蒸発するかのように、消えてなくなりたい
●「人に迷惑をかけている」という思いが消えない
このような症状には抗うつ剤が有効なこともあります。
抗うつ剤にはいくつかの種類があり、
あるタイプが合わなくても、別のタイプの効果が上がるという人もいます。
また、薬によっては効果が上がるまで、2週間程度かかるものもあります。
効果が上がる前に諦めて、やめてしまうと、
「副作用ばかり経験して、効果は得られなかった」
ということになりますので、焦らずに医師の指示を守りましょう。
私が精神科医から処方されていたのは、SNRIとスルピリド。
服用を続けるうちに、私のうつ状態は改善に向かいました。
「SNRIとスルピリドさえ飲んでいれば、こんなに楽に過ごせるんだ。
これなら、一生飲んだってかまわないよ」
と、前向きな気持ちが出てきたころ、
「そろそろ、お薬を減らしましょう」
と精神科の先生がおっしゃいます。
「減らすことなんか、できるんですか?」
「減らせないと思う理由は何ですか?」
「……そう言われると、よくわかりません」
ここから、減薬に取り組んでいき、現在、抗うつ剤は服用していません。
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■メイロン(注射、点滴)
メイロンは一般名を「炭酸水素ナトリウム」と言います。
血管に入ると、やや痛みを感じる人が多いです。
しかし副作用はそんなにありません。
めまいとは、身体の異常事態ですので、
副作用がどうのこうの、痛みがどうのこうの、と
気にしている余裕はないかもしれませんね。
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■血流改善薬
アデホスコーワ、トリノシン、アデタイド、ATP、
ケタス、ピナトス、
ドルナー、プロサイリン、ベルナール、ベルラー、プロスタリン、その他、
カルナクリン、カリクレイン、サークレチン、ローザグッド、サークリン、その他
内耳の血流を良くすることは、メニエール病改善のために大切です。
私は、婦人科医にカルナクリンをいただいたことがあります。
ただし、メニエール病を直接改善するためではありません。
介護が終わった後、体調を崩して起き上がれない状況になった私に、
「自律神経の調整の効果が期待できます。
メニエール症候群にも使うことがあるから、耳も良くなったらいいのにな」
と婦人科の先生は優しく言ってくださいました。
このお薬のおかげだったのか、
それとも精神的に立ち直れる時期が来ていたのか、
処方からわずか一週間で、日常生活が送れるレベルに回復しました。
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■ビタミン剤
メチコバールが有名ですね。私も飲んだことがあります。
私は最近、サプリメントのマルチビタミンを飲んでいます。
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■制吐剤
ナウゼリン、ハドドリン、ドンペリドン、ノーゼア、モンロビア、その他、
プリンペラン、エリーテン、プラミール、テルペラン
ガスモチン、アボビスなど。
めまいには吐き気を伴います。
あまりに吐き気がするときは、制吐剤を飲むと楽になることがあります。
私は、ナウゼリン、プリンペラン、ガスモチン、アボビスを飲んだことがあります。
メニエール病のためではなく、
子宮内膜症のため、痛みが強くなると吐き気がしてくるので、
制吐剤を何錠か持ち歩いています。
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■抗酸化薬
内耳に過剰な活性酸素が発生することを防ぐためのお薬です。
お薬としてはムコスタ、
抗酸化物質として、ビタミンEやビタミンC、ベータ・カロチンなどが知られています。
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■ステロイド
聴力が急激に落ちていく場合は、ステロイドを処方されることがあります。
私自身も、メニエール病が再発したときに、
「聴力がどんどん落ちていくようなら、ステロイド使いますね」
と先生から言われたことがあります。
私は、そのまま聴力が大きくは変わらなかったので、ステロイドは使っていません。
なお「ステロイドは怖い」というイメージがある方もいる様子ですが、
医師の指示を守って服用していく限りは、問題が起こることはないでしょう。
私は、2007年の初めに成人喘息になったので、
ステロイド薬の吸入をし続けていますが、問題が起こったことはありませんよ。
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■漢方薬
漢方の世界では、臓器や組織の一つ一つをみることよりも、
体全体を診て、全体の調子を整えることを重視するという考えがあります。
メニエール病にも漢方薬が処方されることはありますが、
「メニエール病だから何々という薬を処方する」
という考え方よりも、
「なぜメニエール病が起こったのか」
ということを、体質全体を診断して突き止め、薬を処方するという考えが、根本にはあります。
メニエール病の方が、漢方の治療を受けたい場合には、
まず現在の主治医に相談してみることが、一番大切です。
なお、漢方薬の中で「柴苓湯(さいれいとう)」という薬は、
ステロイドを作り出す細胞へ働きかける作用があるため、
ステロイドを必要としている患者さんに処方されることがあるようです。
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■ペルフェナジン
ピーゼットシーや、ペルフェナジンマレイン酸塩という名前のお薬です。
吐き気、嘔吐を抑える効果があるとともに、
神経の高ぶり、不安感などを鎮めてくれる効果があります。
このお薬について調べると、目に入るのが「統合失調症」という病名です。
統合失調症は、100人に1人がかかる、ごくありふれた病気であり、
ペルフェナジンをはじめ優れたお薬が開発されている現代ですから、
何も、特別視するべき病気ではありません。
また、ペルフェナジンは、統合失調症だけに使われるお薬ではありません。
一番残念なのは、こういった病名にこだわるあまり、
ペルフェナジンを飲まず、症状が悪化してしまうことだと私は思います。
医師から処方された場合は、何か意味があるのですから、
医師の指示を守って、服用して頂きたいと思います。
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■睡眠薬
メニエール病患者さんは、睡眠不足に注意する必要があります。
何らかの心配事があって眠れない場合や、
メニエール病そのものが不安で寝付けないなどの場合には、
睡眠薬をうまく使っていくことも、視野に入れてもよいかもしれません。
不眠のタイプに合わせて、
作用時間の違う睡眠薬を選んだり、複数の薬を組み合わせたりして、
使っていくことになります。
人間はノンレム睡眠・レム睡眠のサイクルを4,5回繰り返しながら、
朝になって覚醒する、というのが健康な睡眠です。
1度のサイクルには1時間半ほどかかる人が多いそうです。
このサイクルが1回や2回しか起こっていないのに、
途中で覚醒してしまう人は、睡眠障害が起こっていることになりますので、
睡眠薬の助けを借りるのがよいかもしれませんね。
私は、11年前に手術を受けた当時、不眠の症状が強かったです。
寝付けないこと、1時間や2時間で目が覚めること、昼間ぼーっとすることなど。
この当時は、不眠がつらかったので、様々な睡眠薬を処方して頂きました。
ただ、試行錯誤の末にわかったのですが、
私は、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルそのものが短い、
「短時間睡眠者、ショートスリーパー」である様子です。
これは病気ではなく、体質のようなもので、
ムリに長時間作用型の睡眠薬を飲むと、昼間に眠くて仕方なくなります。
このようなことは、医師と相談しながら治療を試さないとわかりません。
気長に解決に取り組んでいくのが良いでしょう。
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■抗ヒスタミン剤
内耳迷路や嘔吐中枢の興奮を抑えるお薬です。
乗り物に乗る前、トラベルミンやドラマミンなどを、
「酔い止め」として服用された経験がある人も多いでしょう。
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■β刺激剤(ベータしげきざい)
めまいを抑えるβ刺激剤として「イソメニール」があります。
β刺激剤は、脳や内耳の血流を良くする作用がありますが、副作用も大きいです。
喘息治療を受けている人なら、β刺激剤のことはよくご存知と思います。
私も、どうしても発作が治まらないときには使用します。
しかし、動悸がして体温があがってしまい、眠れないこともありますので、
できれば使いたくないと思っています。
喘息治療の薬には2種類があり、
●コントローラー……発作を起こさないように続けて使用していく薬
●リリーバー ……発作が起こった時に鎮める薬
リリーバーをやたらと使わなければいけないのは、
発作のコントロールができていない、ということです。
リリーバーを屯用として用いるだけではなく、
コントローラーの処方を見直す必要が出てきます。
メニエール病に関しても同じことが言え、
そもそも、β刺激剤を使わなくて済むようコントロールできるのが理想でしょう。
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■自律神経に働きかける薬
自律神経失調症は、日本心身医学会の暫定的な定義によると、
「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、
しかも臨床検査では器質的病変が認められず、
かつ顕著な精神障害のないもの」
とされています。
自律神経失調症の様々な症状は、
交感神経と副交感神経のバランスが崩れた場合に起こります。
このバランスが崩れた状態を整える「自律神経調製剤」というのはあり、
γ-オリザノール、ハイゼット、グランダキシンなどがあります。
ただ、自律神経のバランスがなぜ崩れたのかを突き止めて、
その根本的な治療をすることも大切です。
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【参考】薬が原因でめまいが起こる?
薬の中には、副作用としてめまいを起こしてしまうというものがあるのは事実です。
ただ、薬局でいただく「薬剤情報」に書かれている副作用は、
全員に起こるものではありません。
また、副作用がない薬というのは、ほぼありませんので、
副作用というデメリットと、薬を服用することのメリットを比べて、
メリットが大きければ、薬を飲むほうがいいでしょう。
私は、高プロラクチン血症の改善のため、カバサールという薬を飲んでいます。
薬剤情報をみると「めまい、立ちくらみ、血圧の低下、睡眠発作」など、
副作用が出やすいように、書かれてあります。
でも、1年は飲んでいましたが、
めまいを起こしたっていうのは、2,3回くらいしかないんですよね。
それに、飲まなかった間に、いろいろ大変なことがあったので、
「このくらいの副作用なら、我慢できる」と思えました。
そういう割り切りは必要であるとともに、
「この薬を飲んでいて、副作用でめまいを起こすかもしれません」
と、耳鼻科の医師に伝えることは大事でしょう。
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みなさんのメニエール病の症状やその程度によって、
どの薬が一番合うかということは、変わってきます。
必ずしも「全部の薬を飲まなければいけない」ということはありません。
信頼できる先生の処方を、信じましょう。
信じることが、治療の一歩目です。
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■参考書籍
1.北原糺著『めまいの待合室』金原出版、2008年
2.水野正浩、伊藤彰紀監修『徹底図解 めまい・耳鳴り』法研、2003年
3.日本セルフケア支援薬剤師センター著『平成24年度版 薬学検定試験 公式ガイド&問題集』一ツ橋書店、2012年
4.林公一著『統合失調症 患者・家族を支えた実例集』保健同人社、2007年
5.おくすり110番、http://www.jah.ne.jp/~kako/、2012年10月21日
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